「いろは」というのはもはや死語になりかかっているのではないかと思いませんか。歌舞伎座の座席も昨年までは前から「いろは」順で情緒があったものですが、コンピュータ化とやらでいまでは他の劇場と同じく1・2・3列となってしまいました。「〇〇のいろは」という言い方も「〇〇のABC」にとってかわられたのか、あまりお目にかかりません。
このいろは歌というのはかな文字47文字(「ん」がなく「ゐ」「ゑ」がある)を一回限り使って作ったもので、これ以前に「あめつち」「大為尓(たゐに)」というのがあったということは、日本語教師養成講座の日本語史では必ず習う(習った)ことですが、「いろは」の出来があまりによすぎて、以後、もっぱら「いろは」のみが明治になるまで手習い歌として、さらにその後も順番を表すのに使われてきました。
いろはにほへとちりぬるを
わかよたれそつねならむ
うゐのおくやまけふこえて
あさきゆめみしゑひもせす
色は匂へど散りぬるを
わが世誰ぞ常ならむ
有為の奥山けふ越えて
浅き夢見じ酔ひもせず
じつによく出来ていますよね。
ところが、明治以降昭和までに何度か、マスコミがこのいろは歌に挑む作品を募集し、数々の名作が発表されたことはあまり知られていません。
それがどんなものかはこのつぎに。資料は毎回お世話になっている織田正吉氏の「ことば遊びコレクション」。こんな面白い本が版元品切れとは。講談社さん、ぜひ再販してください。
2007年02月05日
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